最近、本当に彼らの曲をよく聴くようになったと思う。
なんだろう、特にきっかけと言えるものがあったとしたらやっぱりDNAなのかな。でも別にそんな意識もないんだけど。もちろんDNAは大好きだよ。
まあとにかく、その頃からよく聴くようになったということ。顔と名前も見分けがつくようになって、初めてわかったことは、なんか全然普通の子たちなんだなって。良い意味ですよ。ヒップホップで、ラップが多くて、もっとゴリゴリのグループなんだと勝手に怖がってた。ごめんね。
しかも高音から低音までとにかく多彩な声を持っていて、聴いてるだけで楽しい。すごい。そしてもちろん見ても楽しい。すごい。
彼らの音楽を聴くようになったことで、自分の世界がまた新しく開けたようなそんな感覚がある。心の中に持ってはいたけど、自分でも気づかなかった気持ちを的確に言語化してくれた。人にどう思われるかが怖くて、今まで言えなかった言葉を、堂々と歌にのせてくれた。そんな彼らの音楽は、あまりに無防備で、触れたら傷つけてしまいそうな感情をさらけ出してくるから、聴く側も自分の心と向き合うことになる。
音楽を聞いてるだけなのに、否応なく自分と向き合わせられる。
7人がそれはもう死にもの狂いで「生きようとしている」ことがすごく伝わってくる。
生きていくことって本当に、楽しいことや幸せなことだけじゃなくて、悲しいことやつらいことの方が多いなって私は思うんだけど(っていうか後者の方が数えやすいのかな)、BTSは傷ついていることを隠さないから。傷つくこと、すなわち生きることに抵抗しながらも、生を手馴づけようと必死だから。だからその姿に勇気をもらうし、すごく安心するし、とにかく今の私には「必死で生きようとしている」姿とかそんな力がとてもとても必要なのだ。
Rain (cr. maimu)
この曲に描かれている感情を的確に表す単語が残念ながら見つけられないんだけど、『押し寄せる訳も分からない虚しさ』や『今日に限ってさらに惨めな俺の姿』などの部分に説明されてるように思う。とにかく最後の『俺は、この雨が止んでも、あの雲が晴れても、ぼんやり突っ立っているその姿のままで、ただ黙ったまま世界を見下ろしてみると、そこには美しくない俺が俺を見つめているんだ』の部分の衝撃といったら。どこまで歩いても、自分からは逃げられなくて、どんなに他人に囲まれていても、自分は自分でしかなくて、自分の最悪なところも含めてあらゆる面を世界で唯一知っているのは自分なんだよね。
Best Of Me (cr. ぱみり。)
なんか、とにかく、どう言ったらいいのかわからないくらい、この曲が好きで大切です。この曲を聴いて胸ときめかせた日も、この曲を聴いて涙した日も。この'Best Of Me'という曲にまつわるすべてが大切なの。
これは好きな人へでも、恋人に対してでも、対象はなんでもいいと思うんだけど、もうあらゆる「愛」という感情がこの一曲に集約されているようなそんな気がして、ひどく切なくて、最高に好き。『君は僕』なんだよ。すごいよ。
ぶっちゃけ何が最高って、ハウス系の音楽にこういう胸をぎゅっとつかまれるような切ない歌詞をあてるところ。'Save Me'も例に漏れず大好き。
'RUN'はここ一週間特によく聴いてるんだけど、どうしてこんなに惹かれるのかやっぱり上手く言えない。
『道を教えてよ、僕を止めてよ、僕に息をつかせてよ』と言いながらも『どうせ僕にはこれしかできない』『きみを愛することしかできない』と走る、その不器用なひたむきさに背中を押されるし、その真っ直ぐさがすごく眩しくてうらやましい。
そしてこれ。
Not Todey (cr. yoo nju)
こんなにも腹に力の入る曲はないと思う。
この曲のすごいところは、負けて死ぬことがまず前提にあって、その上でそれを覆そうと戦えと言っているところ。いつか負けるかもしれない。いつか死ぬかもしれない。花がいつか枯れるように。それでも負けるのは、死ぬのは、今日じゃないんだと。『勝利の日まで』『飛べないなら走れ、走れないなら歩け、歩けないなら這え』。しっかりしろ、戦え、前を向け、まっすぐ生きろ、たくさんのメッセージが込められていて、同じ高さから手を伸ばしてくれている。しかも『一緒だってことを信じろ、防弾だってことを信じろ』って彼らに言われてしまうと、説得力がありすぎてもうやらざるをえないよね。
自分の弱さというよりは、世の中の不条理に負けるなというスケールの大きな曲だけど、この曲を聴くと、方法なんて分からないけど闘わなきゃって気持ちになるし、私はこの曲をこれから一生大切にしていきたいと思う。
ここで使われている『ガラスの天井』という言葉について、ウィキでは
ガラスの天井(ガラスのてんじょう、英語: glass ceiling)とは、資質又は成果にかかわらずマイノリティ及び女性の組織内での昇進を妨げる見えないが打ち破れない障壁である 。
当初は、女性のキャリアを阻む障壁のメタファーであったが、現在は男女を問わずマイノリティの地位向上を阻む壁としても用いられるようになった。
と書いてあるけど、やっぱりヒラリー・クリントンが大統領選で多用していたからか、女性についての言葉だという印象が強い。
そんな女性たちに対して同じように力をくれる曲としては、これも衝撃的だった。
21世紀少女 (cr. maimu)
これすごい。本当にすごい。
女性が女性であることを全肯定して、『きみは愛されて当たり前なんだ』って歌えるのって本当にすごいことだよね。これをガールズグループが歌ったら、もちろんそれは素敵なことだしそれはそれで力をもらうだろうけど、ボーイズグループが笑顔で歌うから意味がある。現代は女性の地位が移り変わっていく、ちょうど過渡期だけど、むしろまだまだ過渡期にすぎないけど、だからこそこの曲に勇気をもらって、まずは自分が自分の女性性を思い切り愛して楽しんでいきたい。
しかもサムネのグクミンがかわいいときてる。最強。
ああ、もっとたくさんとやかく語りたい曲ばかりなのに、また十分長い記事になってしまった。
私はARMYなんてとても名乗れないけど、それでも彼らの音楽に出会えて本当に良かったって思っていて、彼らが彼らとして等身大の気持ちを歌ってくれるその姿にすごく助けられている。決して癒しではなく、グサッと突き刺さるような、考えさせられるような、そんな曲も多いんだけど、「傷つくこと」は当たり前で、大事なのは傷ついたその先なんだって思うようになったのは、彼らが傷ついた気持ちを見せることを恐れないからだろう。
最後に大好きなこの曲。
EPILOGUE : Young Forever
永遠なんてものはないと、身をもって知った最近。
それでも永遠がほしいのは、怖いから。私は、いつか環境が変わって価値観が変わって、今大切だと感じているものに興味がなくなる日が来るのが怖い。今好きだと思う彼らに何も思わなくなる日が来るのが怖い。
だからこそ『僕たちは永遠に若い』と歌える彼らがすごく暖かくて。
いつまでもこんなふうに、繊細な感情を感じられる自分でいたい。
年を重ねながら、いろいろなことに鈍感になっていくような生き方はしたくないと、思う。
(動画お借りしました)