ザッピング

チャンネルはころころ変わる

在台日記 526日目

 

体調を崩して病院へ行ったんですけど。

 

言葉がわからないから、体調が悪くても病院へは行かずにギリギリまで我慢するタイプなんですけど、インフルエンザだったら嫌だなあと思ったから検査してほしいと思って行った。引っ越してきて初めて行った近所の耳鼻科。受付で保険証を出しつつ、上記の旨を翻訳機にかけて伝えた。それで個人情報なんかを記入していたら突然「200元」って言われたんです。

 

「?」ってなるじゃないですか。

 

今から診察するのに?って思って戸惑っていたら、言葉が通じていないと思われたらしく紙に「200元」って書かれたから払ったんだ。でも頭の中は「?」だらけだったさ。

その後スムーズに診察。おじいちゃん先生、英語ペラペラだったから助かった。まあ結局「あなた、high feverじゃないしthroatも痛くないならfluじゃないと思うよ」ってことで検査はしてもらえなかったんだけど。

 

それで受付で薬をもらった。前に行った別の病院でも薬は受付でもらう仕組みだったから、院内処方が基本なのかな。街の普通のクリニックなんだけどね。

薬を受け取ったら「じゃあね」って雰囲気だったから、薬代は?って聞いたんだ。そしたら「さっき200元払ったじゃない」って。

 

????????????????

 

何?前払いとかあるの?なんなの?決まっているの?なんで薬がポンってすぐに出てくるの?どうして診察する前に薬含めた値段がわかるの?ぽっきり200元コースなの?wwwwwwwwww

ダメだ、元気になってから考えるとおかしくてしょうがない。ちなみに200元は、日本円にすると1000円くらいかな。確かに台湾は医療費が安くて、台湾人はちょっとでも具合が悪かったらすぐに病院へ行くって聞くけど、それにしても異様な安さである。でもインフルの検査は保険が掛からなくて高いって聞いたし、タミフルは1000元くらいするっていうのも聞いた。だから検査してくれないのかなあ。検査してって一回粘ってみたんだけど「何、あんたの会社はfluじゃないと休めないのか?ww」って聞かれて「そんなわけないだろwww」になり、諦めた。

 

結果、胃腸炎でお腹きゅるきゅる、治ったと思ったら今度は風邪をひき、春節の9連休をほとんど寝て過ごしたんでした。新年、あけましておめでとうございます。

 

まあ体を休めることができたし、中3日くらい(胃腸炎と風邪の狭間)は元気で友達とも遊べたからオッケー。去年の春節は帰国しちゃってたから、今回が台湾で過ごす初めての春節だったんだけど、みんな故郷へ帰ったり旅行へ行ったりするから台北から人がいなくなるって本当でしたね。大袈裟じゃなくアパートに私一人だと感じた。とても静かだったので、歌ったり踊ったりさせていただきました。

 

台湾では(中国語では)12月31日から1月1日へと年が変わることを「年を跨ぐ」と書いて「跨年」、旧暦のお正月を「年が過ぎる」と書いて「過年」と言う。中国語はわからないけど、漢字に意味が込められているのが美しく感じられて、なんだか無性に好きだと思う。

 

 

まあ、とは言えやはり過年の方が大事な文化なので跨年に何をするわけでもない。有名なのは101のカウントダウン花火くらいかな。

台湾で年を越すのは2回目だったけど、今回も私は12月31日まで仕事だった。職場の休みは元日だけで、2日からはまた仕事だった。仕事によっては元日も働くのが普通なんだそうだ(もちろん日本でもそうだけど、そういう意味ではなく)

 

前回も思ったけど、どうも私は「ゆく年」と「くる年」が地続きになっている台湾のこの感じが非常に苦手で苦痛だ。否応なしにすべてをリセットしてくれる日本の年末年始のあの感覚は、30年以上生きていると染み付きすぎてどうにも拭えないようだった。

そもそも私は日本の一年でお正月が一番好きなのだ。まずね、おせちが好き。おせちって嫌いな人がどうやら多いらしい。黒豆もきんとんも伊達巻きも田作りも、敷き詰められた魚や飾り切りされた色とりどりの野菜も、全部に意味があるところも好き。お餅なんて一年中食べるくらいには好きだし、お雑煮も好き。そうやってお腹がいっぱいになった後、初詣に向かう。私の地元は雪が降らない。冬は気温が下がるほどに空が澄んで、突き刺すような冷たさとともに空気は凛と凍る。一年でたった一回しか味わえない、あの元日の午後の空気。普段と違って人がいない街。あそこを歩く、あの時間が何より好き。

 

ここで一人で年を越していると、日本に置いて行かれているような気分になるんだよ。

それから気持ちが切り替わらない。日本の年末年始って良いことも悪いことも一回すべてを過ぎゆく年に置いて、またまっさらな新しい一年を始めようという「リセット」の意味があるということに、こっちに来て初めて気づいた。

特に私は気持ちを意識して切り替えるというのが苦手なので、あれはなんか大きかったんだなあ…

 

台湾で冬が来るたびに、鬱々としてしまう。

 

まあもともと冬は私にとってそういう季節であるし、冬季うつなんてのもあるくらいだから当然と言えば当然なんだろうけど、それでも今回の冬はだいぶ苦しかった。

 

冬が中途半端なのも嫌だ。

南の方は暖かいらしいけど、台北は最低で10〜13℃くらいには下がる。かと言って暖房が当たり前の文化ではないから、私(の給料レベルの人)が住むようなアパートには冷房しかない。もちろん湯船もない。

その上、台北の冬はとにかく雨が多く湿度が高い。降っていない日でも70〜80%はある。私の人生で冬というのは、つまり乾燥でもあったので、なんというかカルチャーショックだ。いやカルチャーショックに留まればいいが、今回引っ越した家の壁中にカビが生えた。枕にも生えた。率直に言って、限界だと思った。

 

人より潔癖の自覚はある。小さい頃、温泉やプールサイドのタイルが嫌でたまらなかった感覚を今でも覚えている。ベタ足で歩くことができなかった。大人になるにつれ慣れていったから、海外で暮らしたら許容範囲が広がるのかと思っていた。逆だった。ここで暮らせば暮らすほど、自分の中のキャパシティは狭くなっていくようだ。

 

というかたぶん、「家」が不衛生なのが嫌なんだな〜屋台とか夜市とかは別に平気だし。基本的におうち大好き、隙あらば引きこもりたい人間にとって「家」が苦痛なのはだいぶストレスだということに気づいた。気づくの遅いかな?でもここに来ないとわからなかったことだから、学びだよね。

 

 

結論、3回目の冬を迎えるかどうか考え中である。

 

 

考えすぎたり、いっぱいいっぱいになりやすかったり、鬱々しちゃったり、そんな私をよく理解して働きやすいように取り計らってくれる上司(※存在します)に、「繊細だからな」って言われたんですよ。わかってる。繊細なのは。でもさあ!ここにいるとさあ!私が繊細であるより前に、皆様が気にしなさすぎなのでは?!って思うわけ。

まあ「台湾は合わない人は合わないから」とも言ってた。私ですね。

 

いいところはいっぱいあるし、ここに来たことを後悔もしていないけど、つらいなって思うことを乗り越えようと頑張るほどの気持ちを、この国に対して持てないでいるのが1年と4ヶ月過ごした現時点での正直な思い。

 

台湾の冬、手強い。