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'19.07 “Vogue” 8月号 ミニョン インタビュー和訳

 

“ミュージシャンという言葉が重く感じられますが、アイドル歌手としてニュイストを好きでいてくださるたくさんの人たちの前で好きな音楽を楽しくやっていると感じられる時、本当に歌手になってよかったと思います”

 

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―撮影した服を一着ずつきちんと揃えるのでファッションエディターが驚いていましたよ。

着たものだから、整理してお渡しするのが礼儀じゃないでしょうか。もともとすっきりした性格な上に、整理するのが好きなんです(笑)デビューした時から整理してきたので身体に染みついています。他の人たちもすっきりすることがもっと好きなんじゃないかと思います。

 

―ミュージカル『マリー・アントワネット』公演が目の前ですね。

デビュー8年目ですが、様々な活動をしながらミュージカルへの関心が生まれました。ミュージカルは生のものを聴こうと直接会場を訪れなきゃいけないと思って、好きな先輩の作品を観に行きました。特にキム・ジュンス先輩のファンなのですが、舞台で役にハマって演技している姿が本当に素晴らしく見えました。アイドルグループが3分間のステージをお見せするなら、ミュージカルは2~3時間を声と演技だけで惹きつけるじゃないですか。そんな部分も経験しながら学んでいきたいです。

 

―マリー・アントワネットを守るアクセル・フォン・フェルゼン伯爵の役ですが、どんな人物だと思われますか?

革命に遭って混乱した状況の中でも、自身の考えと決意を持つ話ですが、アントワネットを純粋な心で愛する献身的な人でもあって魅力的です。他のところにリファレンスを探すより、5年前の(韓国)初演を探し続けて見ています。当時フェルゼンを演じた先輩方を観察しながら準備しています。

 

―どんな部分に一番集中されていますか。

声量が非常に豊富でも普段高音をすっきりと出すスタイルではないので、その部分を重点的に練習しています。以前は自分が上手くできる甘美な曲をたくさん歌ってきました。美声がよく出る曲ですね。自分のボーカルの長所とミュージカルが必要とする声を合わせる練習をしています。発声の基礎からまたしているので練習生に戻った気分です(笑)

 

―違う方式での練習を通して今になって発見した能力もありそうですね。

僕も高音で歌えるんだって(笑)なので以前はあまり高くは歌ってみる気にならなかった曲や練習対象からも外れた曲をシャワーを浴びながら歌っています。パク・ヒョシン先輩の「野生花」のような曲ですね。「こんなふうになるか」なんて言いながら少しずつびくびくしながら挑戦していますが、時々成功すると本当に気分が良いです。ミュージカルをしながら自身の限界を越えて音楽的な成長を遂げる良い機会になるのではないかと思います。

 

―コンディション管理のためにしないことがあるとするなら何ですか。

睡眠をしっかりとろうとしています。生活パターンがもともとしょっちゅう変わるので遅く寝たら遅く起きる習慣ができていたのですが、早く寝たら早く起きようと努力しています。もしよく寝られなかったとしてもちゃんと声を出せるようにしないといけないので、炭酸飲料は飲まないようにしています。本当はコーラがすごく好きなんですよ。ひとまず減らしていますが、ミュージカルが迫ったら徹底的に我慢します。ゼリーのようなものを間食するのも好きなのですが、体力管理のためにあまり食べず体に良いものに気を遣って食事しています。

 

―歌手として立つステージと違って負担も相当であろうと思います。今一番心配なことは何ですか。

歌は職業でとても好きなことなので楽しいのですが、演技経験が多くなく演技について負担です。特にミュージカルは長い時間で集中が切れたらいけないのに、舞台で失敗したら仲間の俳優たちや観客たちに迷惑がかかるというのが負担ですね。練習がなければ生きる道がありません。

 

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―最近音楽的に最も関心のある分野は何ですか。

ニュイストのアルバムに作詞家としてこつこつと参加してきました。言いたい言葉や本を読んで歌詞に込めたいと思った内容があればチェックしています。最近海外によく行くのですが、飛行機の中でスマホのメモ帳に思いつくままに書いています。

 

―最近書いた歌詞をこっそり聞かせて頂けますか?

メモ帳にただ書いたものですよ。「雲と遠くない」という。幼い時は雲がとても遠く感じられたけれど、最近は飛行機から雲を近くに見るので「僕が雲と遠くないところにいるな」という考えで書き込んだものです。ここにだんだん付け加えていくと歌詞が出来ます。

 

―いつか歌詞に込めたいテーマがありますか。

ニュイストの曲には「色彩」「カラー」といった単語が多いです。幸せの色はどんな色なのかということについて書いてみたいですね。

 

―焼き鳥を食べてスカウトされたという逸話がありますよね。それ以前は歌手になりたいとは夢見ていなかったのですか?

東方神起先輩のステージを見てどうやって5人でこんなふうに完璧なハーモニーを作ることができるのだろうと考えて歌手になりたいと思いました。でも故郷が釜山なのでソウルまでオーディションを受けに行く勇気が出ませんでした。寝る前に横になって真似しながら歌を歌って夢が膨らみました。高校まで一生懸命通って、大学はソウル実用音楽科へ行くつもりでしたが運良くスカウトされました。あの焼き鳥を食べていなかったら本当に…(笑)

 

―焼き鳥が触媒であるとするなら、歌手になることができた重要な材料は何でしょうか。

まず、歌を好きだという気持ちが一番大きかったことだと思います。もともとダンスについては興味がありませんでした。最初にスカウトされた時、2AM先輩のようなグループになることが夢でした。歌が本当に好きだったんですよ。「歌手になって多くの人たちに暖かい歌をお聞かせしなくては!」と入って行った最初の日からダンスの練習をさせられました。脚が張り裂けそうでしたね(笑)初めはあまりに疲れて練習室へ行かず、会社の前で隠れて練習していました。でもそうしていると鏡の前に立つ姿がだんだんかっこよくなっていくんですよ。ステージの上で踊った時はどんな感じがするんだろうという期待が生まれたから、歌手にならなくてはという気持ちが大きくなったと思います。

 

―アイドルのステージは歌、パフォーマンス、衣装などが絶妙に調和した瞬間の没入度を極度に高めさせる芸術です。K-POPミュージシャンとして追及するステージ哲学についてお話してくださるとすればそれは何ですか。

K-POPアーティストが世界的に愛される一番大きな理由は、ステージに対する情熱です。3分間のステージに全力を尽くして噴出するエネルギー、そのステージだけのために準備した3か月の努力があるから輝くんですよ。ファンが共感する歌を歌うことも重要です。

 

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―完璧な協同作業もアイドルのステージを完成させる重要な要素です。ニュイストのメンバーたちを通じて個人の成長も遂げました。

メンバーは同じ夢に向かって走って行く人たちです。友達のように近いけれど友達とは違います。練習生期間も含めると10年くらいを一緒に過ごしてきましたが、音楽的にお互いを通じてすごく成長しました。何よりメンバーたちと生活したから人としての道理というか、人に対して配慮することを学びました。メンバーたちは個性が強いのですが、違うからこそ学ぶことが多いです。リーダーのジョンヒョンは「真のリーダー」です。リーダーとしてメンバーたちをしっかり導いてくれる姿を見守りながら、自分にもそんな気持ちが生まれることもありました。僕はリーダー気質ではないんですよ。ミンギはムードメーカーです。面白くて善良です。気分が良くない時もミンギを見ると楽しくなるんです。やっぱりステージで一人だと心細い気持ちです。夜明けまで汗を流して練習して家へ帰る時、胸がいっぱいで気持ちいいのは5人が一緒だという事実のせいですね。そんな時本当に気分が良いです。

 

―ミュージシャンとして一番幸せな瞬間はいつですか。

ミュージシャンという言葉が重く感じられますが、アイドル歌手としてニュイストを好きでいてくださるたくさんの人たちの前で好きな音楽を楽しくやっていると感じられる時、本当に歌手になってよかったと思います。普段だと美味しいものを食べた時、そして旅行を考えているような時ですね。もともと「引きこもり」だったのですが、旅行をしてみると普段は忙しくて目に入らなかったことが見えて、いろんな考えができて面白いです。たくさん旅行に行きたいので暇ができたらしてみたいですね。YouTubeでVlogを見ながらメモして、旅行サイトに行ってホテルも探しています。これだけでもときめいてすぐにでも旅行へ行きたいような気持ちになります。

 

―インスタグラムIDの‘optimus hwang’はどんな意味ですか?

映画『トランスフォーマー』の主人公オプティマスプライム(コンボイ)がとても好きなんです。善の役割であり、常に他のロボットを助ける姿が、幼い時とてもかっこよく見え偶像のように感じられました。「僕もあんなふうにかっこいい人にならなきゃ」と思ったんですね。インスタグラムIDを作りながら調べてみたらoptimisumに楽観主義という意味も込められていました。肯定的に生きたいという自分の価値観にもよく合っています。

 

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―やりたいことをずっとし続けていくために必要なことは何ですか。

まずアイドル歌手じゃないですか。熱心に自己管理をして音楽的にも継続して成長する姿をお見せすることは当然のことだと思います。そうすればファンたちも楽しくファン活動ができるでしょう。何より最も大切なのは、練習生だった時やデビューした時のような初心です。ファンたちがくださる愛が当たり前ではないということを理解し、感謝しながら、一生懸命活動したいです。実は具体的に目標を立てる方ではないのですが、幸せに生きていきたいという気持ちがあります。好きな音楽をしながら。