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アイドルの読んだ本が読みたい!②

 

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東野圭吾著『悪意』講談社文庫、2001年

読んだアイドル‥イェリ、ジョンヒョン

悪意 (講談社文庫)

悪意 (講談社文庫)

 

最初の語り部を主人公と言うのなら、私は主人公がたとえ悪であったとしても肩入れしたくなる性分で、そしてその人に裏切られるのだけは嫌いだ…と思う。思った、この本読んで。真実が知りたくて逸る気持ちでページをめくる。ほぼ1~2日で読ませるくらい引き込むパワーを持っているのに、求めていたその真実をタイトルの2文字で回収して終わりなのはあまりに稚拙な気がする。

『イニシエーション・ラブ』みたいなのが好きな人は好きかも。私はあれ、嫌い。

 

 

薬丸岳著『誓約』幻冬舎文庫、2017年

読んだアイドル‥イェリ

誓約 (幻冬舎文庫)

誓約 (幻冬舎文庫)

 

今回の4冊の中で一番好き。

すごく暗い。同じ作者ではミニョンの読んだ『Aではない君と』も読んだけど、そっちを先に選んでおいてよかったと思った。もしもこっちを先に読んでたら、薬丸岳の世界に疲れてしまっていたかもしれない。

こうやって考えてみると、この話が好きな理由はたった一つ「主人公(この本では向井聡を主人公と呼んで構わないと思う)に裏切られることがないから」という点にこそあると思う。向井は一点の曇りもない「善」ではない。むしろ限りなく「悪」に近いグレーな存在だけど、この話の中では最後まで私を裏切らない。ホッとして読み終えることができる。私にとってそういう読後感はとても大事だ。

 

 

フロイト著、金森誠也訳『夢と夢解釈』講談社学術文庫、2001年

読んだアイドル‥ジョンヒョン

夢と夢解釈 (講談社学術文庫)

夢と夢解釈 (講談社学術文庫)

 

難しかった…というのが率直な感想。なんかよく分からなかった(笑)

フロイトは夢をその解釈の方法に沿って3種類に分ける。一つ目に「抑圧されない願望を包みかくさず実現する夢」、これは主に幼い子どもが見る。二つ目に「抑圧された願望が隠蔽されたまま表現される夢」で、私たちの見る夢のほとんどがこれに当たると言う。三つ目に「たしかに抑圧された願望を示しているが、まったく包みかくしていないか、あるいは不十分にしか隠蔽していない夢」。特に二つ目に注目して分析する際、夢の内容を本当に細かく材料化して、一つ一つに意味を与えながら組み合わせて解釈していくフロイト。彼は精神科医だから、その患者たちの見た夢が主な対象になっているんだけど、なんかこれって何でも言えちゃうよな…って思った。だって夢って証明できない。自分の説を主張するためにでっちあげることなんて簡単だよな。

まあなんか夢が抑圧された願望だっていうのは「でしょうね」っていう感じ。この「知ってた」という感想になることこそ、きっとフロイトが証明し、それから時が経って常識になりえたということなんだろうけど。願望丸出しの時もあるし、自分でもわけわからない時あるよね、夢。もう何年も会ってないような昔の同級生(しかも仲良かったとかでもない)が出てきたり…ああいうのってなんなんだろう。割と気になるとすぐキーワード入れて夢占いとかで検索しちゃう。

最後に、夢と直接の関係はないけどめちゃくちゃなるほど~って思った文を残しておく。「願望の刺激として欲動の源泉から出現したものは、われわれの最高の精神の法廷の試験を通らなければならず、もし不合格であった場合は放棄され、われわれの行動能力への影響、すなわち行動の実施面から拒絶される。こうして、意識には普通、危険な欲動の源泉がまったく知られてないのだ」つまりその抑圧された欲動が意識もしくは行動に出現した時こそ、正常ではなく精神的な病の兆候であるということらしい。なるほど~~~~~腑に落ちる。精神科医って感じ!

なんかあれだ、いかにもじょんが読みそうだよね(まとめ)

 

 

キム・ヘジン著、古川綾子訳『娘について』亜紀書房、2019年

読んだアイドル‥特になし

娘について (となりの国のものがたり)

娘について (となりの国のものがたり)

 

いっそ読むのを諦めてしまいたくなる、暗くてひどくて心を抉るような言葉たち。引きずられて引きずられてわたしまでこの母親の闇へ落ちる。どうしてこんなにひどいことが言えるんだろう。どうしてこんなに自分の生き方を善とできるんだろう。どうして価値観をアップデートできないんだろう。これを老いと呼ぶのなら、わたしはこんなふうに老いていくのが一番の恐怖だ。

それでも人は生きていく。誰かのことを理解しようと懸命にもがきながら。そんな話。

 

 

 

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