読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ザッピング

チャンネルはころころ変わる

映画『ラ・ラ・ランド』はなぜ最高なのか(ネタバレあり)

『ラ・ラ・ランド』観ました。

アカデミー賞発表の前に1回、発表後にもう1回。現時点で2回観ました。

 

いんや~~~~~~~~~~最高!!最っっっっっ高!!!!

いろんな意見があることは知ってます。ストーリーそのものに対してもそうだし、ミュージカル映画としてもそうだし、アカデミー賞関連でも賛否両論あるよね。わかるよ。でもそうじゃなくて、私は、私が「最高だ!」と思えるものに出会えて本当に幸せです。これは映画だけじゃなくて、それこそ人とか、一冊の本とか一曲の音楽、なんでもそうなんだけど『ラ・ラ・ランド』に出会ってまた宝物が増えちゃったなあっていうそんな気持ち。ありがとう世界。

 

いやまったく、映画のパンフレット買ったのなんて何年ぶりだろう…。

というか普段映画はDVDで借りて見るタイプだから、本当気まぐれに映画館行ってよかったなあ~と思っている。

ということで自分メモ的に感想をば。

 

 

ミュージカル映画として

言っても私、ミュージカル映画全然見たことない。『マンマ・ミーア』くらい。レミゼも未だに観てないし、名作や代表作と言われるものも全然見たことない。宝塚や実際に舞台でやるミュージカルは好きだけど。だからそういった意味では、今回ララランドでオマージュされている場面などは全くわからずでした。わかって見たらもっと感動とかがあるのかなって思うけど、本音で言えば余計な情報に左右されずに見ることができてよかったと思っている。ララランドをララランドとして見ることができたわけだから。でもオマージュとか、そういうリスペクトが感じられる手法はとっても素敵だと思うけどね!

 

ちゃんと「ミュージカル」になっているのがすごいと思った。

きちんとオープニング、1幕、2幕、そしてエピローグ(カーテンコール)っていう作りになってるよ!ね!

オープニングはもちろんあの渋滞した車の上で‘Another Day of Sun’を歌うところ。ここで観客をグッと作品の世界に引き込む。「女優を夢見る女性の話」というストーリーと、「困難にめげずにまた立ち上がろう」というメッセージ性の提示。そこから主役の2人にスッとフォーカスして、自然と本編に入っていく。

1幕の終わりは、セブの加入したバンドのライブシーンあたりかな。幕間の前はやはり一度盛り上がる形をとると思うので。だいたいそこらへんから話も動いてくるし。

そしてエピローグ。舞台で言えばカーテンコール、宝塚で言えばフィナーレですね。要するに劇中で使われた曲をもう一度流しながら、オールキャストが顔を見せるところ。これはもうもちろん、セブとミアが再会して「もしも…」の世界を一緒に見ているシーンでしかない。実際の舞台とは違ってストーリーに組み込まれてはいるけれど、セブが首になったレストランの主人からミアの友達まで本当にオールキャストが歌って踊るシーン。サントラ見るとわかるけど、ちゃんとここのシーンは‘Epilogue’と名付けられている。ここのシーンこそが「ミュージカル」というものを象徴する場面だと思う。ここで、この2時間で聴き慣れた曲とともにみんなが笑顔でハッピーに歌って踊ってくれるから、ストーリーの結末がどんなものであろうとも、観客は楽しい気持ちで帰れる。いつも宝塚観る時もそうだもん。どんなにやるせない結末であろうとも、フィナーレでスターが羽根を背負ってきらびやかに踊ってくれるから、そこではストーリー上の敵とか味方とかは全く関係ないから、最後は「ああ、いいもの観たなあ」という気持ちで帰れる。多幸感。ただララランドの場合は、上でも書いた通りストーリーに組み込まれているので、多幸感を感じながらも切なさで溢れている。

 

この、映画でありながらきちんと「ミュージカル」の形式になっているのがすごいと思った。ミュージカルって素晴らしい!本当は一曲一曲終わるたびに拍手したいし、手拍子したい…。

 

 

ストーリーとして

ストーリーに関してこそ、いろいろな意見を目にしますね。結末に関しては一回目はもうがっかり(笑)まじかよ…っていう。「ハッピーなミュージカル映画」じゃないじゃん!っていう。

 でもいろんな見方があると思うんです。幸せってなんだろうって考えた時に、それが「好きな人と結ばれること」である人は、ミアは良くてもセブはどうなんだろうってなるかもしれないし、「夢を追いかけている最中の人」が見たら夢を叶えたセブとミアを見て自分も頑張ろうって思えるかもしれないし、逆に「夢破れた人」にとってはとても突き刺さる内容かもしれないし…私は、どうだろう。私は自分に重ねる部分もあるけど、感情移入も激しいタイプなのでとにかくミアとセブに結ばれてほしかった。悲しいよ。とても切ないよ。

 

最後の「もしも…」のシーン。あれは本当に胸に迫る。きっと考えたことない人なんていないじゃないですか。「あの時ああしていれば…あの時に戻れれば…」って。でも、ミアとセブはもしも「あの時」に戻れていても、きっとこの今あるルートを辿ったんじゃないかなって思う。2人の間にはいつもお互いの「夢」があって、「夢」を持ってないお互いはそれはもう別人の話で、そんな2人だからこそ、恋に落ちたんだから。

 

んああ~~~~ミアとセブが最高に好きです。

 

ミアは、そうね、結末だけ見たらちょっと自分勝手かもしれない。ミアは夢も掴んで(しかもセブのおかげ)、家庭も手に入れてるから。対してセブは自分のこだわりを捨てて、夢だった自分の店にミアが考えた名前をつけてるから。セブは本当に自分の信念やこだわりを曲げられなくて、姉に向かって「俺は灰の中から蘇る不死鳥なんだ!」って言っちゃうような男なんですよ…いやまじでこのセリフ、初見の時「こいつやべえ…」って思ったもん…そんなセブが‘Chicken on a Stick’へのこだわりを捨て、どんな思いで自分のお店に‘Seb's’っていう看板を掲げたんだろうと思うと…泣ける。

 

でも、でも、ミアがオーディション受けてから、最後のシーンへ繋がるあの5年の間に何があったかはわからないんだよ。

ミアはセブに夢を叶えてほしかったんだよね。セブもミアの夢を誰よりも応援していて、ミアの才能を強く信じているけど、ミアを幸せにするために(ミアと一緒にいるために)自分のこだわりを曲げてバンドに入る。でもミアは「そうじゃないでしょ?」と思っている。ミアはセブに夢を叶えてほしかった。セブはそれより少しだけ、ミアに恋する気持ちが上回っていた。その齟齬があの喧嘩に繋がるんじゃないかなと。

恋愛だけに焦点を置くと、ミアの結婚という点で2人が結ばれることはなくなってしまったけれど、それでもあの最後の笑顔を見たら、ミアもセブもこれまでもこれからもずっとお互いを想っていくんだろうなあってわかる。グリフィス天文台で「ずっと愛しているわ」「僕もだよ」って会話してるのはそういうことなんだよね…あの最後の笑顔には、「愛している気持ち」や「夢を叶えたんだね」「よくやったわね」って讃えるようないろんな気持ちが入り混じっている。

 

お互いの夢を応援する気持ちが、自然と恋に繋がって、それが最後には愛へと変わる。それはわかるんだけど、私はやっぱりミアとセブにずっと一緒にいてもらいたかったし、夢も恋も全部手にしちゃいけないのかなって思うし、この問題は簡単に答えが出そうにないです。

 

この映画のすごいところは、ミアとセブ以外の余計な要素を極限まで省いているところだと思う。ミアが女優を目指す理由となったおばさんは亡くなっているどころか、回想シーンすらない。親すらちゃんと映らない。セブも家族は姉くらい。友達も少しだけ。ミアの元彼グレッグはちゃんと別れてももらえないwセブはバンドどうしたん?っていうね。観客はひたすらに2人の夢と恋の行方を見守る。シンプルなのに最高。

だから結局は、余計なこと(描かれていないこと)は考えなくていいんだと思う。

 

余談だけど、ミアと旦那さんが出会ったのはきっとジャズ繋がりなんじゃないかな。ジャズが漏れ聞こえるセブの店に「寄ってく?」ってミアを誘ったのは旦那さんだし。

 

 

映画の好きなところ

・‘Another Day of Sun’の場面で扇子を持って踊り狂う赤いドレスのおばちゃん。

・ミアとセブっていう名前が好き。いちいち言いたくなる。声に出して読みたい名前。セバスチャン。素敵。

・ミアの黄色いワンピースに赤いバッグ、青い靴のファッション。かわいい。

・‘A Lovely Night’の場面でミアが「化繊のスーツが似合うけど」と歌うのに対し「ウールだよ」と小声で答えるセブ。

・オーディションから帰る車の中で、セブと約束した映画館「リアルト」の前を通ってミアが思いを馳せて一人で少し笑うところ。

・退屈な食事会で適当に愛想を浮かべるエマ・ストーンの演技。

・食事会で流れてきたピアノのメロディにミアが気づいて走り出すところ。

・映画館でミアがスクリーンの前に立ってセブを探すところ。立ち姿にほれぼれする。

天文台の場面でのミアのグリーンのドレス。エマ・ストーンの瞳の色とよく合っている。

天文台のコイルにビビるライアン・ゴズリング

・‘City of Stars’を歌うミアとセブの孤独感。

・バンドのライブ前の楽屋でのセブの衣装。ブラックスーツ、黒のシャツに、金色のネクタイ。

ジョン・レジェンドがいい声すぎる…。

・ミアの一人芝居に遅れてしまったセブが劇場の窓を叩いて「ミア!!」って呼ぶところ。声に出して呼びたい名前。

・「どうして家がわかったのよ」「図書館の前だ(The house in front of the library)」っていうセリフ。セブ~~~~~~~~~~~~~(泣)

 

 

ミアは強くて、セブは優しい。

だから私は同性としてミアに憧れるし、異性としてセブに惹かれる。そしてまるごと2人が大好きで、大好きだから応援したくなる。

この映画に出会えて幸せです。

 

f:id:iamyu:20170308025728j:plain

 

何回観られるかな~。